設計、資材、ベンダー、工場の関係

設計者として仕事をしていると、資材、ベンダー、工場とのやり取りは必須である。各設計者は、それぞれの対応に手一杯になり、中々全体像が見えなくなることがある。そこで、今日は、設計者が、部品の設計を行い、工場に納品させるまでにやるべきことを整理したので、それを紹介したいと思う。

語ることは、ほぼない。下図の通りである!

①は、設計者が部品の設計をする際に、あらかじめ想定しておくべき事項である。その会社でも、設計者は設計思想を「設計書」にまとめる。そこには、要求される事項と、それをどのように実現させるのか?QCDはどのくらいか?が根拠をもって記載されている。

よって、その中の、C(想定コスト) や D(想定リードタイム)を資材調達に連絡する。必要に応じて、打ち合わせを行う。資材は、この情報をもって、ベンダー調査を行う。この際、過去実績の有無というのも重要な要素になってくる。(②)

③④は、資材がピックアップしてきたベンダーに対して、設計部がコスト回答が筋の通ったものであるかどうかを確認し、資材に設計が回答する段階。この後、資材内で経営状況なども考慮して最終決定され、ベンダーに通達される。(⑤)

この後は、ベンダーと設計部との打ち合わせが行われる。図面をもとに、精度、加工方法、日程、コストダウン交渉が行われる。ベンダーは、実際に試作型を作ったりして試し打ちを行うので、設計者も必要に応じて立ち会いに行く。徹夜もしなければならないことがあります。(⑥)

その後、設計立ち会い者とベンダーで合意がとれた物、または、ベンダーがこれで図面通りだ!と思うサンプルが、設計部に送られてくるので、その確認を行う。これを、「検収」という。(⑦)

検収OKなら、それを資材に通達( 急ぎなら、ベンダーにも同時に )し、資材からベンダーに金型費の支払いが行われる。(⑧⑨)

こうして、一通りの部品の量産体制が整い、工場に出荷される分の生産依頼を資材がベンダーに依頼をかけ、工場に指定数量の部品が納品されるのである。(⑩)

部品一つ作るにも、これだけのやり取りが生じるのである。ソフト設計者などのように、パソコンだけで解決はされないのである。計算、時間、莫大なコスト がかかるのである。

昨年の、高校生男子がなりたい仕事ランキングの二位が、機構設計者だったとのことだが、「下町〇ケット」に影響されすぎではなかろうか?作中でも、平気で徹夜してたけど、、、36協定なんかないぞ?それやってたら、物できないぞ?会社つぶれるぞ?あんな美男美女いないぞ?そもそも出会いないぞ?ということを肝に命じて、それでも物作りで日本を変えたい!世界を変えたい!と思う人がやるべき職種である。

その覚悟がない人は、ソフト設計者などになり、計測系、管理系、システムインテグレーター などに入るほうが、幸せだと思う。。。

ではでは。。。