管理職が注意すべき言葉の一例

どの組織にも、それを率いる者がいる。私のいる室にも、室長とリーダーがいる。

今日は、日頃彼らと接していて、非常に困る言葉を上げたいと思う。

それは、

「業務を抱え込まないで!早く言って!君が出来ないなら、他の人にやってもらうから。」

である。

世の中の管理職の方、冷静に考えてみてほしい。

あなたは、こんな言葉を言っていて、可怪しいと思わないかい?思わないのならば、自分が管理職として無能であることを今すぐ知るべきです。

その業務をその担当に任命したのはあなたです。

あなたが、担当の業務状況が芳しくないことを知り、上記のような言葉を言うのは筋違いです。それは、あなたの見込み誤りであり、管理不行き届きであるからです。

あなたのプレーヤーの能力見込みが正しく、定期的な業務状況確認と指示が適切であれば、業務遅延もミスも起こりえません。

世の父と母が、子供の体調の悪さを知るのに、子供が体調が悪いことを申告するまで見てみぬフリをするだろうか?しないであろう。それと同じである。

プレーヤーは、会社の一番の宝である。宝石のように、大切にし、磨き、輝かせなくてはならない。それが組織を強固に、そして巨大化させる極意であるはずである。こんなことは、古の兵法書や組織論の書籍を少し見れば、すぐに分かることである。これすらしない管理職は、そもそもやる気があるのか?と言いたくなってしまう。

「業務を抱え込まないで!早く言って!君が出来ないなら、他の人にやってもらうから。」

もう一度、改めて載せた。管理職がこの言葉を述べることは、自分が管理職として無能であることを表すと述べたが、次に、この言葉が、パワーハラスメントであることにも触れたいと思う。

まず、業務状況が芳しくない状況が生まれたとする。

管理職が、上記のような言葉を述べた。それに対して、プレーヤーは、

「おっしゃるとおりです。私には荷が重すぎました。他の方にやってもらうか、手伝ってもらいたいです。お願いします。」

と言ったとしよう。すると、管理職は、それを認めることによる任命ミスを認めるのを嫌がって、

「抱え込んでちゃ分からないよ。もっと早く言ってくれなきゃ困るよ。もっと早く言ってくれたら、人員をさくなり対策を立てられたのだから。」

といい、あくまで状況悪化の原因を担当にしようとする。たちが悪いのは、この論理を無意識に行いがちなことである。一種の、自己防衛本能で行いがちなことである。

そして、結局、状況改善のための打開策を立てようとしない。あくまで、プレーヤーに考えさせ、判断させようとして、

「今出来るの?出来ないの?出来ないなら他の人にやってもらうけど?」

という。この言葉には、担当者に無能さを突きつける発言でもある。

この場合、管理職が取るべきは、業務の推進状況の把握である。そこから、担当者の推進速度と完成度を推し量ろうとすることが大事である。

さて、話を少し戻す。

普通のプレーヤーならば、初めてこうした事象に遭遇したら、次からは定期的に報告・相談をするはずである。しかし、この手の管理職は、この報告や相談すら出来ないような傾向がある。

例えば、難しい仕事があって、プレーヤーが業務途中で報告したとする。すると、

「まだ終わってないのか?いつ終わる?間に合うのか?」

「まだ時間があるから、ギリギリまでやってみよう」

「こんな物を求めていたのではない。そのくらいのこと出来ないの?」

などという。

折角、プレーヤーが進歩報告をしているのに、それを(奮起させる意図があってかなしか)罵り、終了予定計画を迫る。管理職ならば、部下の報告から進歩速度を予測し、できそうかどうか見積もるべきである。

折角、プレーヤーが終わらなそうなことを申告しているのに、「継続してやれ!」では、なんの解決にもならない。もちろん、進歩速度を見積もった上で、そう言っているのならば頑張れもするが、それならそれを示すべきである。でなければ、なんのために報告したのか不明だからである。また、上司であるのならば、明確なゴール像、次回の報告タイミング、判断ポイントを示すべきである。これができない上司は、無能である。

折角、プレーヤーが草案などを提示しているのに、それを活用しようとしない。全否定するばかりか、プレーヤーの能力のなさを煽るような言葉を副えている。これでは、状況は改善しない。0のままである。プレーヤーは、何が良くて何が悪いのか?管理職がどこまで求めているのか分からないので、露頭に迷う。そして、突き返され後、いろんなことに頭を悩ませ、時間を要し、報告も滞るようになるのである。

上記のように、管理職が自分の無能さを隠すためにプレーヤーに放つ「抱え込むなよ!やばくなる前に言ってよ!言わないと分からないから。」に対して、プレーヤーは改善しようと事前に申告するようにするのだが、言ったら言ったで、こうした上司は、攻撃口調と煽りを繰り返しながら、プレーヤーに不要な無能感を与え、状況を改善に導かない。明確な達成基準もなければ、進歩速度を推し量ることもせず、良し悪しすら言わない。そして、プレーヤーに業務を返すだけである。そして、プレーヤーは、相談と報告に臆病になり、色々管理職と職務のために思案しているうちに業務時間がかさみ、結局、また「抱え込むなよ!」という状況を生むのである。

プレーヤーは相談や報告をしたくても、管理職がその姿勢を言葉と態度で否定するためにできないのである。そうして、また、業務遅延が生じるのだが、、、無能な管理職は、また同じみの言葉を吐くのである。

プレーヤーは、どうすることもできず、心に深い傷を負い続けるのである。心体に一方的に攻撃が加え続けられることを、ハラスメントという。

今回のケースは、パワーハラスメントに相当する。三菱電機などの案件は、触接的なマイナス発言であり、典型的なパワハラである。しかし、今回のようなケースもプレーヤーを答えの見えない心的苦痛な無限ループにはめているという点で、パワハラなのである。

管理職の方は、このことを心に止め、下記を徹底することを願う。

① プレーヤーが相談と報告しやすい雰囲気作りを真剣にすること。

□ 穏やかな口調ですか?

□ 内容だけでなく人格をけなすような言葉を発していませんか?

( 男が好きな女に、親が子にするような、猫撫声で接しろということではい。 心を傷つけないように、真剣に向き合えということ)

② 自ら、定期的な進歩確認をすること

□ 全てプレーヤー任せにしていませんか?

□ 業務の、完成イメージ、手段、進歩速度、判断ポイントは明確ですか?

③ プレーヤーの能力を、十分に把握すること。

□ プレーヤーの個性、特徴を言うことは出来ますか?

□ プレーヤーの能力を推し量る指標は持っていますか?

成熟したマネージャーが一人でも多くなることを切に願うばかりである。

推定の技術

エンジニアとして働いていて、実験をすることが沢山ある。仮説を立て、サンプルを用意し、必要な試験をして、データを整える。そんなとき、昔から違和感を覚え、訂正を訴えている事柄を今日は述べたいと思う。

それは、「推定」の技術である。

私の職場でしばしば多くの方がやるのが、

「サンプルの平均値 ≒ 全体の平均値」

とすることである。10個くらいのサンプルから得られた結果を、特に考えなしに平均値(m)をとり、それを(神のみぞ知る)母集団の値とみなし、議論する傾向がある。

サンプルから求めた値が、母集団のそれに対してどれだけズレているか推論する手段を、多くの者が忘れている(or知らない)ため、皆が皆、もやもやした気持ちを押し殺しているのが、よく分かるのである。

しかし、誰もそのことは議題に出さない。自分が知らないから。自分の弱みを見せたくないから。。。

本日は、その違和感に蹴りをつける、簡単な一例を紹介する。実験をされる方は、是非試してみてほしい。

【方法】:推定

① サンプルを適当に用意する。( サンプル数=N。標本数ともいう。 )

② 測定する。

③ サンプルの平均値(m)と標準偏差(s)を求める。

④ 自由度Φを求める。( Φ=N-1) ※

⑤ 推定の予測精度X[%]を決める。

⇒ 推定する平均値(μ)が、どのくらいの確率で当たって欲しいか?

数学的には、95%当たると、その事象は起こるとしている。

⑥ 危険率α(=1-X/100)を求める。

⑦ t分布表において、自由度とαが交わるt値を読み取る。

⑧ 「μ = m±t・s/√(N-1)」に③⑦の数値を代入する。

⇒ (神のみぞ知る)母集団の 平均値μは、「m±t・s/√(N-1)」の間にX[%]の確率である。

推定した値の起こりうる確率 まで提示されれば、その値による判断がスムーズにできる。

「サンプル数が少ないから駄目だー!やっぱり金をかけて全数検査しなくっちゃ!」などと、ハゲ頭にカビの生えたようなことを言わなくていいのである。

もう、何十回も主張し続けているのだが、受け入れられないのが悔しい。日本の統計リテラシーの低さを感じてならない、今日このごろである。

赤ちゃん

子供が生まれました。女の子です。

。。。といっても、私の子供ではなく、私の兄の子供です。

名前は、国際的に活躍する人になって欲しいという兄夫婦の願いから、「結海」と名付けられました。

私の一族は、「一重で色白」「足が速くて力持ち」というのが身体的特徴です。

しかし、兄の子は、私の母や、兄の嫁一族の血のためか、現状「二重」でとても可愛らしいです😊

どんな子になるのか、楽しみでしょうがないです。

父と母の神仏への願いと、身を清めるかのように正しだした私生活。

兄とその嫁(私から見ればお義姉さんですが…)の深い愛。

これらを受けてこの世に生を受けた、我が姪を心より祝福したいと思います。

よく生まれてきてくれました!

これからよろしくね!

◆癒やし:冬仕様のサギ

白鷺、青鷺、黒鷺、メスとオス、冬と夏 で装いが大分違います😄 貴重な生態の記録です!

秋の相模川

 最近、足しげく相模川に通っています。運動のため、自然にふれあい元気になるため、歴史をしるために、素敵な生き物や石に出会うためです。

 今日は、その成果を報告します!

実家のワンコ。寝るのが大好き。この日も私が出かけようとするまでスヤスヤ寝ていたが、カメラを向けたら起きた。明らかに、眠そう。。。

自転車を飛ばして25分ほどで、相模川に到着する。

川は台風から一ヶ月以上たち、ようやく穏やかさを取り戻しつつある。釣り糸を垂らす人も多くなってきた。

紅葉も美しく進み、四季を視覚で味わえる。

ここは、私だけの秘密の癒やしスポット。川のせせらぎ、打ち寄せる波の音、風の音、小鳥たち囀り、滝の音、水の干渉光が崖に反射してできる空間 が全てそろった場所です。ここだけは、何十年も時が止まっているような気さえします。

生き物も沢山います。

サワガニ

泥柱

クロサギのつがい

小鳥の水浴び

心の癒やしはいくつになっても欲しいものです。間違っても、酒、SEX、暴力、薬に走っては駄目です。自然の生き物は、酒や薬は飲みません。必要以上のSEXもしません。無駄な破壊行為や暴力もしません。

「自然を尊び、自然を守り、自然に還る」

そんな生き方をしたいと思います。

新しい試みで水の中を撮影してみました。

台風直後は、藻はなかったのですが、この一ヶ月で復活しました。その藻が空気を沢山作り出しているのが確認できます。水草の揺れ動き方って、何だか規則性があるように見えます。自然の脈動とでもいいますかね。。水草の間には、1mmくらいの微生物が動いているのが見えたので、もうじき魚が泳ぐ姿も戻ってくるのではないかと思っています。

兵法書の活かし方

書店のビジネス書コーナーに行くと、兵法書が置いてある。

例えば、「孫氏」「尉繚子」「十八史略」などである。

これらの兵法書は、戦場での殺し合いに勝利する方法論である。長い中国大陸の戦いの歴史の中で見いだされた合理的かつ有効な理論である。呉氏や孫氏に至っては、2500年以上も前の話である。(日本では、縄文~弥生時代)

書店に置いてある兵法書の中身を見ると、原文の和訳とその解釈がつらつらと書いてある。頭の中では、現代日本に生きる平和ボケした我々には想像もできない戦場と、一対一、一対多、多対多 の殺し合いをイメージする。

そして、その解釈を、「そんなものなのか…」と受け入れるに終始する。

これでは、意味がないのである!

なぜなら、我々が直面しているのは殺し合いの戦場ではないからである。これを、我々が直面している困難な場に置き換えなければならない。

では、どうすれば置き換えられるであろうか?

ここが、読者に求められる重要なところである。例えば、下記のような文章は、どう考えるであろうか?

「 夫兵形象水。水之形避高而趨下、兵之形避實而撃虚。水因地而制流、兵因敵而制勝。故兵無常勢、水無常形」

(和訳)

それ兵の形は水にかたどる。水の形は高きを避けて低きにおもむく。兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地によりて流を制し、兵は敵によりて勝を制す。故に兵に常勢なく、水に常形なし

(解釈)

兵(=戦い、軍、軍団)の形(=扱い、在り方)は、水の形のように考えよ。

水は、高いところを避け、低いところに向かって流れる。

兵は、(備えが)充実している箇所を避け、甘い箇所を攻撃する。

水は、地形によって、流れ方が決まる。

兵は、敵の在り方によって、勝ち方が決まる。

従って、兵も水の形も、一定普遍などというものない。

この文章をみて、どのように今直面している場に置き換えればよいであろうか?私のお勧めは、上記、「兵」を「自分の直面している困難なこと」に置き換えることである。

例えば、兵 を 研究開発 と置き換えてみる。すると、解釈は、下記のようになる。

「研究開発の在り方は、水に例えて考えよ。

水は、高いところを避け、低いところを流れる。

研究開発は、既に競合多社が多額の資金を投じてヒシメイている分野や方法論を避け、あまり開拓されていない分野や方法を試そう。

水は、地形によって、流れが決まる。

研究開発は、競合多社の研究状況によって、我々が利益を出すための戦略が決まる。」

とまあ、こんな感じに対比させることができ、既存とは異なる分野の開拓や、方法論のアイデア出し が直近の方針となる。

自分で上記文章をやっていて思ったのは、「 水は、高いところを避け、低いところを流れる 」の対比が一番重要ということである。

自分が定めた困難(=兵)は、どんな特徴があるのか?どんな強みと弱みがあるのか?の分析をしているからである。

ちなみに、この時点で、自分の定めた困難 の 完全に解決された状態(=勝利条件)が明確になっていなければならない。でなければ、水の流れに例えたところで、勝てる戦略にはならなくなる可能性があるからだ。

ぜひ、兵法書を読む場合は、「和訳し、兵を、自分の直面している困難なこと に置き換えて」みて下さい。少なくとも、勝利条件の明確化と合理的と思われる戦略指針は立てられると思います。

では!