本日は、Excelを用いた計算フォーマットを作る際のルールについて簡単に述べたいと思う。というのも、機構設計の仕事をしていて、他人の計算フォーマットを見たり、それを使うことがしばしばあるが、使い方が分からず、したがって思考停止を強要される作業のようなモノが多く、非常に不快に感じているからである。そこで、本日は計算フォーマットを作る際の最低限のルールについて、考え、定義してみたいと思う。
そもそも、計算フォーマットは何なのか?
まずは、ここから考えることにする。問題の対象が分からなければ、何も始まらないからである。
「計算フォーマット」とは何か?これは、計算という「行為」とフォーマットという「形式」からなる用語である。
「行為(=する)」+「形式」
英語風に考えれば、動詞があって、その後ろに名詞があれば、SVC、SVO、SVOO、SVOCの文型を思い起こせる。今回の場合、「S=我々、我々≠形式」 なので、SVCではない。よって、SVO、SVOO、SVOCであると考えらる。
calculate という動詞は、SVOをとる。このOは、計算・予測できることがくる。例えば、予算、収支、予測値、方程式、現象などである。これを踏まえて、形式という単語の座りを考えてみるが、「形式」は計算や予測できることではない。形式は、「形・型」であり、「見る物、ある物、使う物」である。「電卓を計算する」「そろばんを計算する」では意味が通じないように、「形式を計算する」とは素直には言えない。なぜ意味が通じないかというと、形式・電卓・そろばんは、行為をするために使う物、すなわち、「道具」であるからである。
このことから、計算フォーマットとは、「計算をするために使う道具」と考えることが、一段曖昧さのない表現だと私は思う。
★ 計算フォーマット:計算をするために使う道具
計算フォーマットであるためには、何が必要か?
計算フォーマットとは、計算をするための使う道具 と先ほど申し上げた。こうなるために必要な事項を考えるには、「誰が、何をするための道具か?」という問題設定をすれば、その利用範囲と、利用に必要な事項を考えることができる。
◎ 誰のための物?
私、私以外の全ての人
◎ 何をするための物?
・私が解こうとした式(=立式したもの)を解くための物
・私の解き方を他人に見せ、理解してもらうための物
・私の解き方を、他人が容易に追試できるようにするための物
このように考えれば、私だけが分かっているだけでは、少なくとも目的の三分の一しか果たせないと分かる。「他人が見て分かる」「他人が容易に使える」ことが抜けているからである。では、これらができるためには、どうすればよいか?
◎ 他人が見て分かるために、必要なこととは?
・計算目的( 何を、どうやって計算するか?)が、明記されていること
・解が得られるまでの手順(原理)が、分かりやすく記載されていること
・入力と出力が明確なこと。ex). 電卓のキーとモニター
◎ 他人が容易に使えるために、必要なことは?
・入力と出力が明確なこと。
・入力項目と、出力項目の関係が、明確なこと
・計算マニュアルと、計算例が示されていること
・一般的な表現で記載されていること
このように、私は考えてみた。これらをまとめると、計算フォーマットに必要な事項は下記のようにまとめられる。
★計算フォーマットに必要な事項
① 計算目的の明記
② 目的の解を得るための手順(原理) の明記
③ 入力項目 と 出力項目 が分かりやすいこと
④ 入力項目 と 出力項目 の関係が分かりやすいこと
⑤ フォーマットマニュアルと、計算例を記載すること
⑥ 計算精度の検証OKな物であること
以上を満たせていれば、自他共に分かりやすく、使える、計算ツールとなりうる。なお、⑥は、計算ツールの前提なので、念のために追記した。
提案する計算フォーマット
以上を踏まえ、下記のようなフォーマットを提言したいと思う。
これは、人の発熱量と、その人がいる部屋でエアコン料金がどのくらいかかるかを見積るフォーマットである。上図は、最終的なフォーマットの形態である。入力項と出力項、その内訳、記入箇所が明記されている。これにより、少なくとも何を入力すれば、図中の出力を得られるか?が分かるので、原理を理解していなくても使うことができる。
次に、このフォーマットの前に、説明を乗せる。(興味のある方は、読んでみてください。図上にカーソルを合わせ右クリック、画像を表示で拡大できます)
以上のようにすれば、読めば原理が理解でき、誰でも使うことができる道具になる。是非、興味のある計算をExcelでされる方は、参考にしていただければ幸いです。
因みに、下記のように簡単な予測をしてみました。体形の豊かな方は、夏も冬もお金がかかるみたいですね。。
【本日の動画】
箱根湯本にある、早川の音です。途中、うっすらとかかるモヤが、何とも不思議な感じです。激しい水の音で、目が覚めるます!
(参考) Excel関係記事