機械工学科に入学すると、「基礎力学」の授業と並行して、「材料力学」「流体力学」「工業力学」を受講することになります。電気製品の機構設計者として、特に大事にしてほしいのは、材料力学です。製品開発において、最も起こってはならないは、使用中の強度不足による破壊です。これは、お客様の命に係わることだからです。
材料力学は、材料に力がかかったときに、「材料の何処に、どのくらいの負荷がかかるのか?そして、どのくらい変形するのか?」を見積るために必要です。ここで、見積ると申し上げましたが、これは予測するということなので、この予測値と目標値を照らし合わせて、所望の強度になるように設計修正することが重要です。
以後、このブログで、ちょくちょく材料力学ネタを取り上げます。折り紙やDIYをするときに、役立つネタもあるかと思うので、参考にしてもらえたらと思います。
本日は、まず、「力」について述べたいと思います。
力とは何か?
私は、この問いに対して、下記のように答えます。
- 物体を運動させたり、その形状を変化させる作用
- 単位:[N](ニュートン)
- 「運動の第一から第三法則」に従って記述される
基本的には、上記のように捉えておけば、今のところ不自由に思ったことはありません。(学者の方は、どうか分かりませんが..)
なお、材料力学では、物体にかかる力を、荷重ということが多いです。
外力と内力
力は、物体の外側に直接かかる力と、物体の内側に均一にかかっているであろう力で大別できます。前者を、「外力」。後者を「内力」といいます。
図にすると下記のようになります。
内力は、外力に対して作用反作用の関係にあります。後で記事で、応力という強度を表す概念を紹介しますが、これは、内力を断面積で割った値です。この値が小さい箇所は、強度が弱いわけです。
外力と内力の見つけ方
下表のように考えておけば、よいと思います。
| 外力 | 内力 | コメント |
着目 | 物体の外周 | 物体の内部 | |
力の見つけ方 | ① 外周を指でなで回す
② 他の物と接触する箇所を見つける
③ そこにかかる力のことを外力という。 | ① 物体を適当な個所で切断する。
② 切断面において、外力に対する力を、作用反作用の法則から考える。
⇒ 内力 | 内力を見つけるときの仮想的な切断面を「仮想断面」という。 |