河原の石( 相模川, 斑文様集 )

私の趣味は、「癒し」と「観察することでモノ作りの着想を得ること」が目的で、森や川を散歩することである。

また、河原を歩くと、非常に多様な種類の石に心躍らされ、ついつい、夢中に自分の情感に響く石を探してしまう。これもまた、大変心地よいことであり、私の趣味として良いと思っている。

思えば、2019年9月28日に、フト、川に行きたいと無性に思い、居てもたってもおられず、八王子の北浅川に行ったのが、一連の自然愛好の始まりであった。この衝動と行動、そしてその後、自然に触れることで私にもたらされた恩恵には、感謝の気持ちでいっぱいである。今後も続けていきたいと持っている。

今日は、そんな自然に触れる活動の一環で、河原を散策して集めた石を紹介したいと思う。私は、主に、関東の川を中心に散策しており、特に、相模川水系と多摩川水系には、二週間に一回は足を運んでいる。本日は、その第一弾として、相模川水系の石、とりわけ、斑文様の石を紹介したいと思う。

【目次】

1.相模川水系で採れる石と基礎知識
2.採取した石 ( 斑文様 )

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1.相模川水系で採れる石と基礎知識

 まず、相模川で採れる石について考えたいと思う。相模川は、山梨県の石割神社の御釜石を水源とし、山中湖を経て山梨から神奈川県の中央部を横断し、相模湾に流れ込む大きな川である。山梨県内では、桂川と呼ばれている。今、山中湖を経由してと言ったが、山中湖は、富士山の噴火による溶岩が、在来の桂川を堰き止めてできた湖である。よって、相模川には、マグマ由来の岩石が豊富に含まれていることが容易に予想できる。マグマ由来の岩石のことを「火成岩」という。

 次に、神奈川県についてだが、何千万年も前には海だったので、プランクトンの死骸が堆積してできた石や、泥や砂が堆積してできた石が多い。こういった堆積してできた岩石のことを、「堆積岩」という。

 さらに、堆積岩がマグマなどの高温や、プレートに引き込まれて高温高圧環境にさらされて変形したものを、「変成岩」という。前者を「接触変成岩」、後者を「広域変成岩」と呼ぶ。相模川は、長い年月をかけて大地を削った河岸段丘が多く観察されたり、活断層があるため、広域変成岩も多くあると予想できる。

 石は、火成岩、堆積岩、変成岩に大別できるが、相模川はその全てが観測できるはずである。ただし、基本的には、火山由来であり、泥や砂、太古のプランクトンの死骸の堆積物由来なので、、「火成岩」「堆積岩」が多く、続いて「接触変成岩」「広域変成岩」と言った順で分布しているのではと思っている。

 ところで、火成岩とはどんな石なのであろうか?これは、マグマ由来であるが、全部で6種の石で形成される。すなわち、石英(無色,白)、長石(無色,白・紅)、黒雲母(黒)、角閃石(黒褐,濃緑)、輝石(暗緑)、かんらん石(淡緑)である。中学で学ぶ知識だが、火成岩は、酸化ケイ素の含有量で4種類に分類される。つまり、超苦鉄質岩、苦鉄質岩、中性岩、ケイ長質岩である。これらはさらに、(低圧,急冷)で作られたか、(高圧,緩冷)で作られたかで分類される。

図1. 火成岩の分類

色んな本で、「この石は、○○岩!」というたった一つの固有名称で呼ぶことがあるが、それはかなり特徴が明確な場合であると分かる。多くの石は、曖昧さのある形成過程含んで作られるので、分類できない物が多いと私が思う。例えば、図1で高圧や低圧と言っているが、その境界線はどこなのか?急冷、緩冷と言っているが、具体的な冷却速度はどのくらいなのか?は、正直、プロじゃないと分からない。( 誰か、教えて欲しい! ) この趣味のサイトでも、なるべく固有名称で呼ぶが、正確な知識をお持ちの方にご教授いただけることを期待して、その判定根拠を記しておきたいと思う。

ところで、堆積岩も主に6種類ある。すなわち、砂岩(白~灰色)、泥岩(ざらざらした黒)、礫岩(2mm以上の粒が混じった石)、チャート(二酸化ケイ素を外殻に持ったプランクトンの死骸,硬くて艶々)、石灰岩(炭酸カルシウムを外殻に持ったプランクトンの死骸,白っぽい)、凝灰岩(火山灰由来,灰色っぽい) と言う感じ。

これら火成岩や堆積岩から変成岩が生まれる。変成岩は、接触変成岩と広域変成岩がある。横断した特徴は、キラキラした粒や光沢感である。これらは、熱の圧力により再結晶化が行われたからである。また、接触と広域の大きな違いは、広域は、層が積み重なったような、、ミルフィーユのような断面構造をとる。これは、高圧により再結晶が方向性を持たされたからである。

以上である。まとめると、、

  相模川で採れる石:火成岩全般、堆積岩全般、接触変成岩多数、広域変成岩も多分あるが接触ほどではない。

と、素人の私は考えている。。

2.採取した石 ( 斑文様 )

図2-1. 角閃石や長石が少数だが混じっており、酸化ケイ素の含有も花崗岩より多いので、、深成岩とする。

採取場所:高田橋下の河原

図2-2. 花崗岩。酸化ケイ素部分が70%程度を占め、雲母、角閃石が観測されるから。

採取場所:高田橋下の河原

図2-3. 閃緑岩。図2-2に比べて、角ばっており、表面がボロボロである。風化が進んだ可能性があり、図2-2より古いのかもしれない。あと心なしか黒雲母の占有率が大きいので、閃緑岩とした。

採取場所:葉山島

図2-4.  閃緑岩。明らかに花崗岩とは違う!角閃石などの結晶形態が露骨に浮き出ている!この石を偶然見つけたときは、凄く嬉しかったことをよく覚えている。。

採取場所:葉山島

図2-5. はんれい岩。もうほとんど黒。黒の占有面積と、比較的綺麗な球体だったので、掴んできた。

採取場所:望地

図2-6. 安山岩かな。。白い部分が酸化ケイ素だとすると、その領域も広い。ただ、花崗岩などとは違い、黒い部分が下地になっているので火山岩系考えた。黒部分は、雲母とか角閃石かも。

採取場所:高田橋下の河原

図2-7. 安山岩か、玄武岩かな。。白い部分が図2-6よりぐっとすくない。あとベース色が赤褐色なので、雲母、角閃石、長石(紅)が混じってできたのかも。。

採取場所:葉山島

図2-8.  写真だと分かりにくいが、全体的にやや緑っぽい。角閃石や輝石、かんらん石の影響を受けていると思われる。安山岩としておく。 採取場所:大島

因みにだが、火山岩と深成岩の見分けとして、私は、、酸化ケイ素を下地として他の物質が混じっているのを深成岩、そうでないのを火山岩としている。

図2-9. 安山岩かね。。変成岩かな?と思いきや再結晶した感じや、一方向に面が積層している感じなどもないので変成岩は違う。礫岩や凝灰岩かな?と思いきや、下地の黒と同化している感じなので、堆積岩も違う。よって、火成岩であるとし、先の独自判定基準から火山岩とし、白の含有が60%ほどと考え、、安山岩とした!

採取場所:水郷田名

図2-10. 緑色凝灰岩か!? 下地は緑色の砂。火山灰かもしれない。そこに石英が混じっている。この表面がコーティングされている感じなら、接触変成岩かなと思ったのだが、そうはなっていないので、凝灰岩とした。なお、相模川水系では、緑色凝灰岩は有名で、中でも、セラドナイトと呼ばれる稀少石は、綺麗な緑色に輝きます。いずれ紹介します!

採取場所:水郷田名

図2-11. 礫岩か凝灰岩かな? 茶色の緻密な石に、白い部分がポタポタ滴りついた感じ。あ!そういえば、この石は、磁石にくっつきます。茶色部分に明らかに、磁性体が含まれています。

採取場所:高田橋下の河原

図2-12. 片麻岩かな?花崗岩系の石と、砂岩が一部層をなしており、さらに表面がコーティングされているような感じ。

採取場所:葉山島

本日は、以上です。このように、相模川では同じ斑文様でも非常に多様な種類を見ることができます。

自分の感情を揺さぶる石に出会いに、近くの川に足を運んでみたらいかがでしょうか?きっと面白い発見があると思いますよ!!

【本日の動画】相模川水系中津川の水の中

小魚が沢山いました!とっても癒されます!

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